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  3. お正月とは?覚えておきたい基本事項

一年間の幸せを願うお正月は暮らしの大切な文化のひとつです。お正月にまつわる基本や豆知識をご紹介します。

お正月とは1年の最初の月のことで、年神様をお迎えし一年の幸せを願います

お正月とは1年間の最初の月のことを意味し、本来は1月31日までの期間を指します。元旦には年神様を各家庭でお迎えし、1年の幸せを願います。

元日は1月1日、元日の朝を元旦といい「旦」は地平線から昇る太陽を表しています。1月3日までを「三が日」、正月飾りを飾る1月7日(地域によっては15日)までを「松の内」といいます。

元日は掃き掃除はお休み

年神様が運んできてくれた福を掃き出してしまわないように、元日は掃き掃除をしない風習があります。

初詣について

年が明けて、初めて社寺にお参りすることを初詣といいます。大晦日から元日にかけて徹夜で社寺に籠っていた風習に由来します。現在は松の内の期間にお参りをするのが一般的です。

七福神詣について

七福神とは福をもたらすとされる七体の神様です。元日から1月7日までに七福神を祀ってある社寺を参拝し、七福神を一巡することで1年の福徳を祈願します。

七福神とそのご利益
・恵比寿(えびす):商売繁盛、豊漁の神様
・大黒天(だいこくてん):五穀豊穣、蓄財の神様
・毘沙門天(びしゃもんてん):武道成就、開運厄除けの神様
・弁財天(べんざいてん):学問技芸成就の女の神様
・寿老人(じゅろうじん):無病息災、不老長寿の神様
・福禄寿(ふくろくじゅ):健康、幸福、長命の神様
・布袋尊(ほていそん):家庭円満、無病息災の神様

お年玉にまつわる豆知識

年神様に供えたお餅を家長が分け与えたことが、お年玉のはじまりとされています。年神様に新年の縁起物をいただくという意味があります。

初夢に関する豆知識

新年にみる夢を初夢といい、この夢で1年の吉凶を占う風習がありました。「一富士、二鷹、三なすび」とは縁起のよい夢を表す言葉で、「富士がは無事」「鷹は高く」「なすびは事を成す」を意味しています。 悪い夢を食べてくれるといわれる 獏の絵や「獏」と書かれた紙を枕の下に敷いて寝るとよい夢がみれるといわれています。

正月飾りの基礎知識

鏡餅は年神様へのお供え物

鏡餅は年神様へのお供え物であり、お迎えした年神様が宿る依り代です。古くから鏡は神が宿る場所といわれており、丸い餅の形が昔の銅鏡の形と似ていることが鏡餅の由来とされています。

鏡餅は三方に半紙などを敷き、裏白(うらじろ)、譲り葉(ゆずりは)、昆布の上に鏡餅を置き橙(だいだい)をのせて、伊勢海老や松などのおめでたいものを飾ります。飾り物にもそれぞれ下記のような意味が込められています。

・橙(だいだい):家が代々栄えることを表す
・譲り葉(ゆずりは):新しい葉が出てから古い葉が落ちる事から子孫繁栄を表す
・御幣(ごへい):紅白の赤は魔除けを表し、繁盛を願う意味も
・裏白(うらじろ):葉の裏の白が清廉潔白を表す
・昆布:よろこぶの意味

門松は新年に年神様が降りてくるときの目印

門松は年神様を家に招き入れるために、門前などに目印になるように飾ります。常緑の松は昔からおめでたい木とされており、さらに縁起物の竹などを組み合わせて現在の門松ができたといわれています。門前の左右にあしらい、向って左を雄松、右を雌松と呼びます。

注連縄は家の中が清浄は場所であることを表す

注連縄は内と外の境界を表します。神前に張ると、そこが清浄な場所であることを示します。また玄関に張ると、外の邪気が家の中に入ってくるのを防ぐとされています。

正月料理の基礎知識

おせちはもともと季節の変わり目の節句に神様に供えた料理

おせちはもともと「お節句」といい、五節句に神様に供えた料理のことでした。

重箱に料理を詰めるのは、「めでたさを重ねる」という願いが込められています。正式な箱詰めは一の重から与の重(四のかわりに与の字をあてる)ですが、最近では三の重が一般的です。

おせち料理の食材には、それぞれ縁起の良い材料や願いが込められています。

一の重(祝い肴)
・黒豆:「まめに働く」ことから健康長寿
・数の子:子孫繁栄
・田づくり(ごまめ):五穀豊穣
・栗きんとん:栗は「勝ち栗」といわれる縁起物。黄金色は商売繁盛
・昆布巻き:「よろこぶ」を表す
二の重(口代わり、焼き物)
・紅白なます:お祝いの水引を表す
・海老:腰が曲がるまで長生きすることを意味
・鯛:「めでたい」を表す
三の重(煮物)
・里芋:子孫繁栄
・レンコン:将来の見通しがきくという意味
・ゴボウ:長く根を張って生きるという意味

神様と使う柳箸

お正月は邪気を祓う霊木とされる柳で作った丈夫な箸で食事します。箸の両側が細くなっているのは、片方は神様が使い、もう片方を人間が使うためです。

また、箸の中央の膨らみは子孫繁栄や五穀豊穣の願いを表しています。

柳箸はひとりひとりの名前を書いた紅白の水引のついた箸袋に入れ、大晦日に神棚に供えておきます。柳箸は使ったら自分で清め(洗って)、松の内は同じ箸を使います。

お屠蘇(とそ)は邪気を祓う薬酒

お屠蘇は屠蘇散(とそさん)という、山椒(さんしょう)や肉桂(にっけい)、桔梗(ききょう)などの漢方薬を調合し、日本酒やみりんに漬け込んで作った薬酒です。

屠蘇という字には「蘇」は悪鬼、「屠」は退治するという意味があり、1年の邪気が祓われて延命長寿を願って飲みます。

雑煮は年神様に供えた餅のご利益を頂く料理

お雑煮は年神様に供えた餅を若水(新年の最初に汲む水のことで、邪気を祓うとされています)で煮た料理です。

雑煮は各地や各家庭で特色があり、関東は角餅にすまし汁仕立て、関西は丸餅に味噌仕立てといように、餅の形や仕立て方に特徴があります。

おわりに

お正月にまつわる基本事項についてご紹介しました。お正月にまつわる知識を身につけて、素敵な新年をスタートさせたいですね。